「信じるってことは責任をとることです 僕は間違って信じるかもしれませんよ 万人のごとく考えないんだからね僕は 僕流に考えるんですから勿論僕は間違います でも責任はとります それが信ずることなんです だから信ずるという力を失うと、人間は責任をとらなくなるんです 

 そうすると人間は、集団的になるんです 会がほしくなるんです 自分でペンを操ることが、信じられなくなるからペンクラブがほしくなるんです ペンクラブは、自分流に信じることはできないです クラブ流に信じるんです んなこたないですよ クラブ流に信ずるからイデオロギーってもんがあるんじゃないか そうだろ?自分流に信じないからイデオロギーってもんが幅をきかせるんです だからイデオロギーは匿名ですよ常に 責任をとりませんよ」

「左翼だとか右翼だとか、みんなあれイデオロギーですよ あんなもんに「私」なんてありゃしませんよ 信念なんてありゃしませんよ どうしてああ徒党を組むんですか?日本を愛するなら? 日本を愛する会なんてすぐこさえたくなるんですよ 馬鹿ですよ 日本てのは僕の心の中にあるんですよ 諸君の心の中にみんなあるんですよ 気がつかないだけだよ こんな古い歴史を持った国民がね、じぶんの魂の中に日本を持っていないはずがないですよ」

「好きになった」メモ: ネットで試聴できる小林秀雄講演集「信ずることと考えること」

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